役作りを科学しない

どこのワークショップに行っても、養成所でも役作りは必須ですよね?演技を学ぶ前から、やらさることもあるのでは?それって、どこまで必要ですか?ほんとうに必要ですか?と、また怒られそうなことを書くわけです。笑

フランスで、アランコルノー監督さんの映画に出演したとき、監督から、まじまじと聞かれたことがあります。
監督「どうして、日本の役者は、役作りして撮影にくるんだい?」
僕「日本の撮影現場は、発表の場ですから役作りは済ませています」
監督「いいかい、撮影は実験の場なんだ、役作りは、ここでみんなで作るものなんだ!いいね」
これは、ちょっと日本のみなさんはビックリなのではないですか?


上の写真はアランコルノー監督さんの映画「マルセイユの決着」の雑誌の切り抜きですが、この雑誌の中で、イタリアの大女優のモニカベルッチさんが、インタビューに答えているのですが、監督さんの映画にはヨーロッパ中の女優がみんな出演したいと願っていると思う。そして、やはり毎日が、映画学校に通っている時のような気持ちにさせてくれる。素晴らしい現場でした。と

これは、僕がブログで書きますと、どうせアングラの無名の監督の言ったことでしょうって、思われるので、あえて。掲載しました。監督さんはモニカさんのすぐ後ろに立っている人です。ついでにみなさんは、女優さんの名前とか知らないとおもうので、リンクもしてあります。笑

また、日仏学院に、イザベルユペールさんがいらしたときに、映画のティーチインで質問に答えていました。

Q:役作りについて、教えて下さい
A:例えば、医者の役があったとして、医者という演技はないでしょう。だから、そんな役作りはしなくても基本的にはいいの、他の共演者がみんな私のことを医者だとみてくれればいいの、そうね人は、他者の視線が作り上げることもあるの。でも、それじゃ質問の答えにならないわね。一つ言えば、役作りに、あるイメージを持つことはあります。この役の場合、炎をイメージした。でも、そういうイメージを持って、役を演じることは、何時もということではない。それは、例えば、夢に似ている。ある、インパクトのある画像が心に残っていても言葉に表せるとは、限らないし、かといって、曖昧なイメージなのに言葉で表現できることもある。そんなかんじです。どうですか?これは、素晴らしいヒントをくださっていると思います。学校でのインタビューだからか、とても親切な女優さんですね。

ね、役作りに科学を持ち込んでいなんですよ。ハリウッドの養成所が言うような、FBI顔負けのプロファイリングなんて必要ないと思います。それは、ワークショップで教えることがないので、役者に対して課題を与えているだけですよ。爆

とまあ、なんか長くなってので、今日はここまでです。

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