所作塾 No10
所作塾 No10 2019/3/18
毎回、集まって頂いた人に合わせて、稽古を組み立てていますが、今回は、役者さんも多くいらしてくださいましたので、また、性懲りもなく芝居も少々入れてみました。
まず、最初に、空間に時間軸を織り込んで、動いてみる
これは、全く新しい試みなので、実験のようなものですけど、一つの舞台に、自分の過去、現在、未来を同時に捉えてみる。これ、結構面白いというか、かなり有効な事だと思うのですが、ちなみに、それが、どれくらい大変か、みんなにトライしてもらいました。そして、やっている皆さんは、気づいて無いかもしれませんが、存在感が、あっという間に出来てきていました。すごい効果だ。もちろん、まだまだ工夫が必要ですけどね。
この過去、現在、未来を同時に捉えるというのは、音楽に例えると分かりやすいのですが、今を演じていても、それは、音楽で言えば、ただ音に過ぎないのです。過去と未来が描けたときに、初めてメロディーとして、物語が流れ始めるのです。でもね、知ってても意味が無いのですよ。台本があれば、誰だって知ってることは可能ですが、お客様は、そんなことは知りません。そして、それを伝えることができるのは、感覚経験だけなのです。これは、役柄と共に歩む、役者の姿の事です。
もう一つは、聞くことと、話すことを明確に分けてみること、です。普段から、私たちは、ちゃんと聞くことがとても難しくなってきています。正確に、相手の言うことを聞いていないのです。聞いていながら、もう心の中では、会話を始めているのが、普通です。特に、舞台では、相手の台詞は、きっかけだけに注意して、情報として価値があまりありませんから、さらに聞けないものですよね。
僕は、この日本人が捉えようとしている聞くという方法が、とても新しく感じて、応用が利くような予感がしています。
こうして、書くとただの芝居の稽古のようですが、これらは全て、所作の型として、やっています。ですから、やっている人たちは、芝居をしているという感覚は、たぶん、あまりないと思います。正確には、お芝居なんかしている暇がない。というのが、正直なところかな?笑
これらのことは、型ですので、出来るようになれば、劇的に芝居に集中できるようになると思うのですが、ますます。楽しみであります。
次回は、4月8日月曜日の予定です
よろしくお願いいたします。