所作塾 No9

所作塾 No9 2019/2/25

私たちは、普段、効率化と合理化の観点から、色々なものを、単純化または画一化して、扱う習慣がついています。それは、当然、身体に対してもそうで、とてもシンプルに捉えていると思います。精神集中さえできていれば、身体は自ずと、追随してくるだろうと、信じているところもありますので、それで十分と思っているのかもしれません。

身体を動かすと言っても、手とか足、腕、太もも、動体、首、頭、で、それらが、関節でつながってて、連動しているぐらいのイメージで、かなり、おおざっぱなものなのかもしれません。車と同じように、アクセルとブレーキとハンドルだけで操縦できると勘違いしているのかもしれません。

しかし、ちょっと複雑な動きをしようと思えば、才能が少しでも足りていなければ、すぐに壁に当たるわけです。そしてこの壁は、とても高くて厚いのです、なぜなら、もともとのスタートが、身体をおおざっぱに捉えているので、もうすでに手詰まりなのです。例えば、演劇を習って、最初に当たる壁が、こんな簡単なことなんです。まず、自分をアピールしろ!と言われる。頑張って無理してアピールする。すると、くさいから、自然にしろという、じゃあといって、普通に芝居をする。すると、もっと力を入れろと怒られる。なら、どうだと力を入れると、それじゃあ固いから、もっとリラックスしろと言われる。そして、リラックスして演技をすれば、もっと自分をアピールしろ!と言われる。あれ??つまり、僕には、才能がないんですね?という事です。笑。皆さんは笑うかもしれないけど、こんな、冗談のような事が、実は、真面目に行われているんですよ。

つまりどういうことかと言いますと、この場合、アクセルとブレーキしかないわけです。力なり、集中なり、オンかオフで捉えてしまっているわけです。こうして、文章に書けば、馬鹿だなって思うかもしれませんが、じゃあ、あなたら、どうやって、このことを指導されますか?オンとオフ以外に、どう説明出来るでしょうか?これに、答えられない人は、だいたい、なんと言うかといえば、もっと稽古しろとか、実践で身につくんだとか、経験すれば分かるとか、要するに、まぐれを期待しているわけです。あとは、出来ている人を見て学びなさいとか、真似しなさいとかね。そして、結局の所、才能のある人と、運のいい人が、生き残る、つまらない世界になります。もちろん、そのまぐれを誰よりも努力したからだと、言うかもしれない。それは、それで素晴らしいことだと思います。

ただ、僕たちは、このまぐれの確立を高めていきたいわけです。そして、人生をまぐれではなく、真摯に向き合えるだけの楽しみを得たいわけです。それで、精神に任せておくと、だいたい二者選択か、せいぜい三者選択なのを、身体の部位に置き換えて考えてみれば、その選択肢は、山のように増えるかもしれないわけです。ということから、始めるわけですが、、例えば、この芝居をするのに、普段なら膝から動くけど、ここは一つ、肘から動いてみるか?とか、愛してると言うのを、心から言うのをやめて、お尻から言ってみるとかね。笑。そう考えたら、キリが無くなるでしょう?そして、楽しくなって来たら、無いものを捉えてみる?たとえば、「空」とかね。なんだよそれ?意味わかんないよって思うか、いやいや、楽しそうでしょう??って、思うかは、分かりませんが、それぐらい今の自分を変えることに行き詰まっている人は、必ず役に立つと思います。

ですから、稽古に来てね。次回は、3月18日です。よろしくお願いいたします。

 

 

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