主観と客観と聞いて、ステレオタイプに考えるなら、主観は、自分を中心に考えることで、客観は、まわりの状況を合わせ見て考えるという事でしょうか?ですから、冷静に判断しなさいと言われれば、それは客観的思考法を指しているのかもしれません。また、主観と客観を視点として捉えるなら、主観は、実際の自分の眼の位置から見た様子で、客観と言えば、自分から離れたある空中の一点から、見ているようなイメージでしょうか?もともとこれらの言葉は、哲学の中から生まれたようなところもあり、どうしても概念的であります。また時代によっては、概念が変わり、意味が変わってしまうこともあり、正確にはとらえどころが難しいのですが、会話のなかでの言葉としては、普通に使われています。また、理論的な概念思考を進めるために、二項対立をとって考えられてしまうところでもあります。

ところでみなさんは、この主観と客観という観点の違いを、どのように生活の中で、使い分けているのでしょうか?人生を左右するような大事な決断を迫られたとき、あなたは主観的に決めますか?客観的に決めますか?ある人を好きになるとき、また信頼するとき、それは主観ですか?客観ですか?

こうして考えると、割とプライベートに近いことは、主観で判断し、公共性が強いものに関しては、客観的に考える傾向が、あるのでしょうか?恋人に向かって、客観的に考えて、「僕はあなたのことが好きです」と、言われてもピント来ないですよね。ここで問題なのは、公共性が強いものは客観的にと言いましたが、ほんとうにそれで良いのかと言うことです。客観的思考法は、まわりの状況も合わせて考える傾向があります。つまり、そうした場合、考え方が一元化する危険性があるということです。ただ、現代は思考法の進歩により客観的思考法でも、多彩な意見が出るように、いろいろと考えられているようです。たくさんのセミナーが、賑わっているのも、そうしたテクニックを教えてくれるからだと思います。

さてここからが、本題です。武士のならひとしては、主観が優先されるのか、客観が優先されるのか?とい疑問です。みなさんは、どう思われますか?

僕は、すべて主観だけでいいんじゃないかと思っています。それは、客観的思考法というものは、それを助けるための、まわりの状況や情報が、表面的なものであり、恣意的な情報があったり、またある方向性を持っていたりと、それらは全て、判断の妨げになるものばかりがあるからです。しかも、その判断は、遅延を生じる可能性も大きいわけです。つまり主観が自分の考えに妨害されると言うならば、客観は、他人の考えに妨害される危険性があるわけです。だから、コントロールするには、もっと難易度が高くなるわけです。じゃあ、主観から自我を除けば良いんだ!だから、「無」になれと言うんだ!と考えてしまいますが、ちょっと、ここは慎重に考えないといけないところです。やはり排除するという考えは、早計でしょう。なぜなら、排除という言葉は概念思考で、理論的な分野の発想なので、自然的ではないわけです。つまり、それは技術としては成熟するのが難しいというわけです。ですから、この場合必要なのは、たぶんですが、主観のなかに自我とは独立した無人格の主観を見つけることが大切だと思うのです。自我が、まったく入り込めない主観を自分の中に見つけること、その修練こそが、武士のならひというわけです。また、それを発見した人達が、達人と言われてきた人達なのかもしれません。主観のなかに潜む客観性こそが、本来の客観的思考法であるべきで、はじめから、客観的に考えたその先には、まったくそれは存在していないわけです。では、その主観の中にある無人格とは何なのか?と疑問に思うでしょう。しかし、それは言葉では到底説明の出来ないものなのでしょう。それでもあえて、言葉を与えるなら、文化であり、歴史であり、また神と考える人もいれば、宇宙と考える人もいるのかもしれません。とにかく、ありがたき(あり得ない)ものとして、大切に考えてきたのだと思います。またその領域は、解明されることを拒否していると感じた先人達は、不可侵の領域をつくることで、儀式としてその得たいのしれない無人格の領域を守ってきました。それが、床の間になり、神社になり、鎮守の森へと発展を遂げたのだと思います。もちろん、誰でも簡単にその領域にたどり着けるわけではありませんが、たまに運良く、その領域をかすめるだけでも、人は劇的に人生観が変わり、技術の向上も甚だしく改善するわけです。そして、人は一人で生きているのではないと、実感を持って、こころから言えるようになるわけです。つまり、この点において、血を嫌うはずの神道が、武道を受け入れて神道流が存在してきた理由なのかもしれません。また、この探求は、究極お金のかからない、最高の娯楽として、江戸時代に発展を遂げていったのかもしれません。

どうでしょうか?主観のなかにある客観性を、あなたも探してみませんか?

 

 

 

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